第1回 雰囲気
モデルになるにためにやるべきこと。
モデルの商品は自分自身です。
スタイルや顔などの見た目はもちろん大事です。見た目はほとんど両親からもらったもの。
人より恵まれた容姿を持って生まれたなら、それは感謝するべきことです。
さらに見た目を磨き続けること、きれいに保つことも大事。
しかし、それだけではありません。
モデルは職業です。
だからプロ意識というものが必要です。
モデルに憧れているけど一歩を踏み出せていない人、これから挑戦しようという人。
そんな人の為に情報をお届けします。
第1回 雰囲気
モデルの仕事で大事なことはなんでしょうか?
そう聞くと一番多い答え。
「可愛く写真に写ることです」
確かに間違いではありませんが、正解ではありません。
モデルの仕事はなんの為にあるのでしょうか?
答えは”売上を上げる為”です。
この話をすると多くのみなさんは、特に若い方は意外だという顔をされます。
しかし、よく考えてみてください。
雑誌であれば編集部、アパレルであればメーカーさん。
なぜわざわざモデルを起用するのでしょうか?
雑誌なら、別に文字だけだってかまわないし、服のカタログであれば、マネキンに服を着させてでもいいのでは?
そうすれば、モデルに払うギャラも必要ありません。
なのになぜ?
それは、モデルが登場したほうが、雑誌や商品が、ユーザーにとってより魅力的に見えて、より多く売れるからなんです。ということは、いいモデルとは、より多くの売り上げを上げる人ということになります。
いくら可愛く写っても、細くても、顔がきれいでも売上が上がらなければ意味がないわけです。
これには色々な要素があります。
たとえば今の流行にあったキャラクターというものがありますから、運もありますね。
あと、クライアントが求めるイメージもある。
これも自分がもしそれと違っていたときに、努力ではどうしようもない運の部分があります。
しかし、運を嘆いても仕方がありません。
みなさんに出来ることは、自分の努力で高められることを頑張ることです。
さて、イメージや、流行のキャラクターなどの要素を除けばあとは何でしょうか?
売上が上がる要素。
みなさんが逆に買い物をするとき、カタログや雑誌、webなどで魅力的に感じるモデル。
(売れていたらそれは知名度で買う部分もありますから、今は売れている人は外しましょう)
そういう人が持っている共通の物。
なんだかわかりますか?
そう、幸せそうな雰囲気です。
雑誌やカタログなどをみたユーザーが、いいなー、うらやましいなと思わなければいけません。
そうするとそれは当然、不幸な人よりも幸せそうな人ですよね。
よく業界では”幸せそう感”と言ったりします。
さぁーこの幸せそう感。
どうやって身につけましょうか?
これはレッスンや、勉強で実につくものではありませんよね。
答えは一つ、日々幸せで楽しいことやワクワク体験を出来るだけたくさんすることです。
誤解がないように言っておくと、嫌なことや、困難から逃げて、楽に生きなさいということではありません。
むしろ、色々な難しいことや、新しいことに挑戦しないと、本当に大きなワクワクや、成功した達成感からの幸せは手に入りません。日々前向きに、好奇心と勇気をもって、どんどん新しいことに挑戦する。自分の気持ちが高ぶる、ワクワクすることをやり続ける。
マイナス思考、悩み、不安、愚痴や文句、心配は禁物です。
そいったネガティブな物があると、その人の顔や雰囲気に間違いなくでてきます。
顔でいうと、口角は下がり、幸せそうでない顔の筋肉の付き方になってきます。
また、雰囲気は心がそのまま表れますから、どよーんとした、人が近寄りがたい雰囲気になってしまいます。
モデルとしてのプロ意識の一つ、おわかりいただけましたか?
これに関しては今からでもすぐに実践できます。
小さなことで言えば、知らないお店を見つけたら入ってみる、見たことのないジャンルの映画などを見てみる、新しい出会いを求めてみる。
その気になればすぐにできますよね。
心がけてみてください!!
第2回 コミュニケーション能力
モデルになるにためにやるべきこと。
モデルというと写真を撮られるのが仕事ですね。
あとはショーでランウェイを歩く、ショーモデルでしょうか。
一般の方に色々と話を聞いていると、モデルは見た目が重要で、トークやコミュニケーションはいらないと思っている方が多いようです。
オーディションなどでも、トークやコミュニケーションが苦手だからモデルを目指しますという人も珍しくありません。
普通に考えるとそうですね、魅力的なビジュアルで人を魅了する、そういうイメージがありますね。
ですが、しかし。
実はコミュニケーション能力が非常に重要なんです。
今回はそれがなぜか、お話したいと思います。
撮影やショーなどの現場の仕事は、裏にまわると、カメラマン、ヘアメイク、現場のディレクター、アシスタント、クライアントなど、色々な分野のエキスパートが、バタバタと動き回っています。
レギュラーの物とかだと、毎回制作チームが同じということもありますが、その場で初対面の人たちが顔を合わせて、制作していくということも珍しくありません。
その時重要なのはコミュニケーションです。
人がやるものですから、しっかりと意思の疎通が取れていたほうが、いいものが出来るに決まっています。
コミュニケーションが悪いと、物事の捉え違いや、ミスも多くなり、また言いたいことが伝わらず、出来上がりの質に影響がでてしまいます。
このときに自分が中心となって、全体の雰囲気をよくし、人と人をつなぎ、コミュニケーションをよくすることができるモデルは非常に喜ばれます。
良く考えれば、モデルは、オーディションで募集をかければいくらでもエントリーがくるわけです。
そうすると変わりはいくらでもいることになる。
その中で次もまた選んでもらうには?
コミュニケーション能力が重要なのはいうまでもありません。
これ苦手な人多いですよね。
友達ならまだしも、初対面で、かなり目上のひとだと、苦手という方も多いのではないですか?
このコミュニケーション能力が高く、現場で人をつなげることができ、場の空気を良くできるモデルは、また次回呼ばれる確率がかなり高いです。
こういう人は現場から好かれますし、またあの人と仕事したいと思われますから、当然ですね。
さて、このコミュ二ケーション能力、どうやって身につければいいのでしょうか?
産まれ持ったもので、後から訓練はできないのでしょうか?
答えは、できます。
まずはあいさつ、笑顔、気遣いですね。
その場にいる誰もが話しかけやすい存在になることです。
あと勉強させてくださいという謙虚さも、話しかけやすい存在になります。
ポイントはつねに、目の前にいる人に好きという気持ちをもつこと。
ただし、女性が男性にするときは、妙な誤解を生むこともあるのでご注意を・・
次に質問上手になること、全員が会話に入れて、皆が話題にできる共通のネタなどあればいいですね。
あとは現場の人たちに興味をもつことです。
時間に余裕があれば仕事について色々と聞いて、勉強させてもらってください。
誰だって自分の仕事に興味をもってもらうのはうれしいものです。
あとは現場の人たちの仕事の知識がみにつけば、どうふるまえば現場が円滑に動くかわかってきます。
モデルだって同じ現場のチームメイト、その意識をしっかりもつことです。
ただし今は黙って集中したほうがいいというときももちろんありますから、空気を読むことが重要ですよ。
そして、何回も呼んでもらえる、現場にとって必要とされる人になってくださいね。
第3回 魅せる意識
モデルの仕事は人を魅了し、あこがれられなければならない仕事ですね。
今回はどうすれば自分の魅力を出せるかということについてお話ししたいと思います。
さて、新人の間は、オーディションや撮影などの本番はかなり緊張するでしょう。
本番前になると、ドキドキして、食事ものどを通らなくなったり、前の日なんか眠れなかったりするでしょうね。
ある程度経験を積んでも、過去に経験のない大きなチャンスでは誰でもそうなります。
頑張るというのはいいことです。
頑張らないといけません。
頑張れば、よく頑張ったねと褒めてもらえます。
これは誰もが認める常識ですね。
でもモデルの世界は少し違うんです。
オーデションや本番を頑張る。
それは当たり前のようですが、実は問題があるんです。
頑張ってオーディションや撮影に挑むとどうなるでしょうか?
無理している感じや頑張ってる感じが出てしまいますよね。
スポーツなどの世界では、もちろん頑張っている魅力というのはありますが、モデルの世界では、緊張していたり、普段の自分ではない無理しているものを出してしまえば、そこに魅力を感じるでしょうか?
おそらく痛々しさを感じたり、見ているこちらまで緊張してしまうことになってしまいます。
頑張れば魅力が半減する。
これは非常識に聞こえるかもしれないですが、覚えておいてほしいです。
本番に自分の魅力を最大限出す、この発想のせいで、本当は魅力的なものをもっているのに、大事な時にそれを発揮できない。
そんな結果になってしまうんです。
無理をしてはだめ、がんばってはだめ。
さて、ではどうすればいいのでしょうか?
それは、本番に魅力を出すのではなく、普段の頑張っていない自分を魅力的にするんです。
言い方を変えると、普段頑張って本番は頑張らない。
そうすれば、力が抜けて、素の自分が出せます。
人は緊張していないとき、素の時、例えば友達と一緒にいるとき、家族と一緒にいるときなどが一番人柄や魅力が伝わるはずです。
こんなことはありませんか?
証明写真や集合写真など、さぁー撮りますよ、と言う撮り方の時は写真写りが悪い。
でも、知らないうちに人に撮られていた、そんな写真は魅力的に写っている。
これはまさに、素の時の方が魅力的であるということの証明です。
ということで、日常生活を頑張るのが非常に大事ということですが、じゃあどうすればいいのでしょうか?
一言でいうと魅せる意識です。
見せるではなく魅せると書いたのは、ただ単に見せるのではなく、魅了しなくてはならないという目的があるからです。
本番は魅力的に見せなくてはいけません、だからいつも魅力的でない人が魅力的に見せようと無理をする、頑張る、だから魅力が伝わらなくなる。
だから、いつも魅力的に魅せていればいいんです。
魅せるです。
いくつかやり方をご紹介します。
例えば、電車に乗ったら、前の席の人はすべて自分のショーを見に来たお客さんだと思います。
また、人とすれ違いざま、きれいな人だなーと振り返らせてやろうと思います。
大勢の前で話す時や、パーティー等に出た時、お店で食事をしているときも意識してください。
私はかわいい、きれい、そしてみんなを魅了すると。
大事なのは、これらを楽しんで、ゲーム感覚でやることです。
そうすればあなたは、頑張らなくても人に魅せることが当たり前になっていますから、本番は適当に力を抜いてやればいいんです。
いかがでしょうか?今日からやってみませんか?
第4回 姿勢
言うまでもなく、モデルにとって姿勢の良さは非常に重要です。
オーディションに行った時でもそうですが、自分の審査の順番でなくとも審査員は常に見ています。
その時に姿勢が綺麗で自分を魅力的に見せている人と、猫背でだらんとしている人では、印象は全然違います。
姿勢がいいと色々ないいことが。
まずは、スタイルがよく見える。
一度姿勢を良くして横から写真をとってみるとわかりますが、胸が大きく見えて、ウエストのクビレができて、お尻もキレイに上がります。
さらに頭が後ろに下がりますから、写真として顔も小さく写るんです。
また、内面の印象も変わります。
姿勢がいい人は自信がある、仕事ができる、しっかりしているという印象を与えることができます。
姿勢と内面は関係ないと思う方は、是非周囲の人を観察して、姿勢による印象の違いを感じてみてください。
さらに正しい姿勢をしていると、内蔵を圧迫しないので、体内の流れがよくなりますし、お尻やお腹に常に力を入れますから、ダイエット効果もあるんです。
さて、ここで誰でも簡単にできる姿勢直し方法を伝授します。
本当に簡単ですから是非お試しを。
①壁を使って姿勢をよくする方法。
真っ直ぐな壁に背中をくっつけるように立ちます。
かかと、おしり、背中、頭の4点を壁につけてください。
そして、足のつま先はこぶし一個分開いてください。
この時、O脚の方は、重心を親指よりに寄せるとよいです。
そして、背中の空間(おへその裏側)を手のひら一枚分に近づけてください。
最後に肩は脱力し手をだらんと下に下げてください、そして、アゴは卵一個を挟んでいるイメージで上げすぎないようにしてください。
これでキレイな姿勢の完成です。
しっかり自分の身体にイメージを焼き付けてください。
②肩甲骨のストレッチ
両手を自分の首のうしろにもっていき、両手を繋ぐようにしっかりと指を組んでください。
両手は首にくっつけたまま、そのまま頭を前に押さないように気をつけながら、肘を後ろへ回します。
目標は180度以上。
呼吸をしながら3分程ストレッチします。
簡単ですよね?
これを一日数回毎日繰り返してください。
肩甲骨が真ん中に寄ることで姿勢がよくなります。
椅子に座ったままでもできますから、勉強やデスクワークの合間にもいいですよ。
③イメージトレーニング
3つのイメージをすることで常に姿勢が良い状態をキープします。
・頭が上に引っ張られているイメージ。
立った状態で頭のてっぺんの髪の毛をひと束つかんで、真上に引っ張ってみてください。
背を高く見せようという感じですね。
自然に姿勢がキレイになります。
・胸より鼻の頭を前に出すイメージ
頭を後ろに引き(顎はたまご一個分の角度で)、胸を前に出します。
鼻の頭より胸を前に出すつもりで。
これで顔が小さく、胸が大きく見え、背中のくびれラインも綺麗に見えます。
・肩は下に
肩を地面に向かって下ろし、力を抜きます。
これにより肩が下がりますので、首が長く見えます。
人は緊張すると肩や手に力が入りますから、緊張した時ほど意識して気をつけてください。
以上のことを是非実践してみてください。
数ヶ月で周りの方の反応が変わることを保証します。
第5回 ポージングブック
自然で魅力的なポージングを身につけるのに一番手っとり早いのは、プロのモデルのマネをすることです。
そこでお勧めなやり方をご紹介します。
自分だけのポージングブックを作り、それで練習するというものです。
ドクモやモデルを目指す人は是非やってみてほしいです。
やり方ですが、ノートかA4のクリアブックを用意。
雑誌から色々なモデルのポーズを切り抜き貼り付けていきます。
ノートの場合はそのまま直接貼ればいいですし、クリアブックの場合は、まずは紙に貼り付けてからクリアブックに保存します。
クリアブックは入れ替えができるところが便利です。
まず最初は5つの写真を選んで貼り付けてください。
もちろんポーズは色々なパターンでバラバラのほうがよいですし、雑誌によってもティストが違うので、違う雑誌にすると尚よいと思います。
完成したら、一つずつ鏡の前で物マネしていきます。
この時のポイントは、頭の先から足先、指先まで完全コピーすること。
表情や雰囲気までもマネしてください。
やってみると分かると思いますが、意外と難しいです。
コピーが出来たら、ほかの4つも同じようにやってみてください。
雑にやらずに完全コピーを丁寧にやりましょう。
そして、できるようになったら、ポージングブックを見ずに、5つ連続で出来るかどうか試してみてください。
これも難しいですよね。
コツはポーズを出す順番を決めてしまってください。
そうするとダンスの振りを覚えるような感じに近くなります。
ある程度できるようになったら、もう一度ポージングブックを見ながら、ちゃんと合っているかどうか確認してください。
足の確度、幅、腰の使い方、背中のそり方、指先、顔の確度、表情、雰囲気。
出来るだけ細かくです。
それが出来るようになれば、今度は鏡も雑誌もなしでやってみましょう。
何度かやったら、また鏡とブックでチェック。
これを繰り返してください。
最初につくった5つのポーズが、完全に自分の物になるまで1か月は続けてください。
何も考えなくても、さらっとポーズが5つ連続ででてくるようになればOKです。
できるようになったら、新たなポーズを5つ追加します。
この時も出来るだけ雰囲気や型がかぶらない物、雑誌もバラバラにしてください。
そして、また同じように5つのポーズを身につけます。
そして2か月目は、最初の1か月目の5つのポーズも合わせて、10のポーズを連続してやってみましょう。
2カ月目になると結構自信がついてきたのではないでしょうか?
このポージングブック、プロのモデルの写真を持ち歩くことでイメージも高まりますし、非常に効果的なので是非お試しください。
こういった練習は日々続ければ確実にできるようになります。
しかし、継続は難しいですよね?
なので、練習を楽しむことと、スケジュール化することが大事。
スケジュール化は、例えば毎日平日の寝る前の時間に、必ず30分やるとか、毎週土日の朝8時~1時間やるとかそんな感じです。
決めて癖付けて、慣れてしまえば意外とできるもの。
是非みなさん頑張ってみてください。