第11回 ポージング練習法 腰の使い方
さて、前回は軸足についてお話ししましたが、
今回は腰の使い方について。
ポージングにおいて、意識は手や脚にいきますが、
実は重要なのは腰なのです。
腰は体の中心にあります。
そして女性のスタイルの美しさはウエストの
くびれが重要。
そのくびれを演出するのは腰の使い方です。
まずは前回やったように重心を片足に
乗せて立ってください。
そして、軸足でないほうの骨盤、腰のでっぱりを手で
触ってみてください、この軸足でないほうの腰を
下に出来るだけ落とします。
そうすると軸足のほうのウエストにくびれが
できますよね?
この状態で軸足のくびれた側のウエストの筋肉意識して
締めてみてください。
そうするとよりくびれができるのがわかると思います。
これが出来たら反対側もやってみましょう。
両方やってみるとわかると思いますが、やりやすい
ほうと、やりづらいほうがありますよね?
普段立っているときに体重を乗せているほうはやりやすく、
その反対はやりづらいと思います。
両方同じ位できるように練習しましょう。
以上は腰を横に入れましたが、今度は後ろをやります。
腰を後ろに入れるとは、どういうことか?
まずはまっすぐ立ってみてください。
そして、お尻を後ろに突き出すイメージ。
お尻の上の背中の筋肉(ちょうどおへその裏側あたり)
ここの筋肉をギュッと締めるとお尻が突き出される
形になるのがわかりますか?
そうすると背中にくびれができますよね。
これで横から見た時に、女性らしいラインになります。
腰をストレッチすれば、だんだんやわらかくなり、
より動くようになります。
そうすると腰の入れ方で表現力がかなり広がります。
また、腰がちゃんと入ることで、胸があり、ウエストがくびれ
おしりがあるきれいなラインになります。
モデルにとっては、自分をきれいにみせることでもあり、
表現の幅を広げることにもつながっていきます。
お風呂上がりの体が柔らかくなっている時間帯に
是非鏡を見ながら練習してみてください。
第12回 ポージング練習法 回転
ポージング練習法につきまして、続けて書いております。
今回は”回転”
初心者が最初にやるポーズの覚え方は、まずは雑誌などから
他のモデルのコピー。物マネをします。
5つくらい覚えてしまえば、多少アレンジをしながら
流れをつくり、連続でなんとかなります。
さてこれができるようになり、細かい部分も磨き上げていく
わけですが、一度自分の写真を連続10枚ぐらいでご覧ください。
意外と前ばかり向いてはいませんか?
モデルの仕事というのは、何かの商品を引き立たせるということ
ですね。
例えば服だとしましょう。
みなさんも服を買う時にそうすると思いますが、色々な方向から
見たくありませんか?
手に取って、横や後ろも見てみますね。
試着室なんかにはいったらどうしますか?
右や左に回転して、色々な角度から見ますよね?
頑張って背中側も見ようとするはず。
色々な角度から服を観察して、さぁー買おうかどうしようかと
考えるわけですね。
さて、モデルの話に戻りますが、お客様にあたる方たちは
紙面を見ています。
その服を自分が着ているわけではないし、写真は右や左に
回ってくれないですよね。
今度は雑誌や紙面を作っている人、デザイナーさんやアパレルメーカーの
人の気持ちになってみましょう。
きっと、一番その服が魅力的に見える角度があって、それを読者のみなさんに
見てほしいと思うはずですね。
ということはです、ポージングの時に回転するということが大事なんです。
制作の方はあとからたくさんの写真の中から、いいのを選びます。
その時に前しか向いていなかったら選択肢がなくなります。
それが回転が必要な一つの理由です。
これがもし服の撮影ではなく、例えば自分自身のプロフィール写真で
あればどうなのか?
これも実は同じです。
女性の体は胸、ウエスト、お尻と凹凸があります。
ですから、手足を動かすよりも、角度を少しだけ変える、
例えば時計に例えると5分くらいでも随分とちがった絵になります。
ですから回転してたくさんの角度を残せばあとで選択の幅が広がる
わけです。
回転の大切さがわかりましたね?
では具体的にやり方です。
まずは軸足が重要、駒の中心の棒と同じですから、軸足から頭まで
の軸を意識します。
そのうえで自然に腰を回転させます。
軸足でない足やその他のパーツは自然についてこさせてくださいね。
回転のポイントは少しずつです。
女性の体の立体構造は少しの回転で大きな変化になります。
ですから、少しの角度を刻んでカットをとってください。
まとめます
・軸足からの身体の軸を意識
・腰を少しずつ回転
・軸足以外のパーツは自然についてこさせる
これで随分ポージングの幅が広がります。
さぁ、鏡の前でやってみましょう!!
第13回 ポージング練習法 手
さて、今回は意外と難しい手です。
練習を続け、実践の撮影なんかも数をこなしてくると、
ポージングにある程度バリエーションが出てきて
それほど考えずに体が動くようになります。
ダンスでいうと動きを覚えて、考えなくても
身体が反応して、無意識に出来るようになってくる
ようになってきますね。
そして、さらに細かいところをつきつめていくことになります。
すると次に出てくる難題が手です。
ポーズ、腰、身体の軸や体重移動、そのへんを使えるように
なると次は手をどうしようかな?
意外と手って難しいな!!
そう思ってくるのではないでしょうか?
その通りです、手って本当に難しいですし、
手が重要な表現、写真の雰囲気に影響を及ぼします。
目は口ほどに物を言うといいますね。
目を見れば、その人の感情がわかります。
実は目ほどではありませんが、手もそうなんです。
例えば緊張している人って手をどうしていますか?
自分の服をいじっていたり、片方の手でもう片方の
手の指をぎゅっと握っていたりしませんか?
また心を開いて人と話しているときなどは、
掌を人の方に向けていることが多いです。
腕組みしているときは、人は心理的に相手と
壁を作っているときです。
このように手はキレイに見せるということだけでなく
重要な感情表現でもあります。
さて、手の使いかたはどうすればいいか?
これは全てお伝えしようとするととてもこの一回
では伝えきれません。
なので今回は要点、練習方法をお伝えします。
まず何か一つのポージングをしたら、必ず手を
色々と変えてみてください。
例えば体のどこかを触るとき、掌でさわるのか、
指先だけで触るのか・・
やってみるとわかりますね、ずいぶんと雰囲気が
かわります。
あと、たとえば指先をかるく、頬にさわったような
ポーズ。
この時は、手首の角度を回転させてみてくだい。
随分と雰囲気が変わりますね。
あと手首の返しです。
手をまっすぐにしている場合と、手首をそらせて返す、
逆に手首を内に入れる、これでも随分と雰囲気がかわります。
そして、指の使い方重要です。
開く、閉じる、ぴんと伸ばす、ゆるく曲げる・・
一通りポーズを終えたら次は手にこだわってみてください。
少しずつ変えてみると、これだ!!と言うのが見つかるかも
しれませんよ。
第14回 ポージング練習法 表情
さて、今回は表情について。
プリクラなどをよく撮るみなさんはどうすれば
かわいく撮れるかはある程度分かっているかと思います。
プロのモデルとして活動する場合は一つかわいく撮れる
パターンを一つだけもっている、これだけでは仕事ができません。
なぜなら、現場やカメラマンによって、毎回求められる
イメージが違うからです。
今回は元気な感じで、今回はクールな感じ、
今回は柔らかい感じで・・
などなど、毎回違うイメージが求められます。
そんな中で、もし自分が一つのパターンしかもって
いなかったら・・
この状態で現場に出ると、現場からはあのモデルの
引き出しは少ないという評価になります。
そうすると、たまたまそういうイメージの撮影の場に
しか呼ばれなくなります。
現場で重要なのは、制作の方たちが求めている物に
応じて、色々な引き出して持っていて、状況によって
使い分けができるということです。
レベルが高いベテランになると、カメラマンのシャッターの
切り方で求めている物を読めたりします。
当然そういうモデルは制作にとって仕事がしやすいモデルと
なりますから、次も呼ばれる可能性が高くなります。
ここまでは引き出しの多さの話。
いくら引き出しが多いからといって、一つずつの表情の質が
あまり良くないと困りますね。
表情の質とは何か?
それは、感情がちゃんと表現されているかどうかです。
例えば元気な表情を求められたら、ちゃんと心からの
元気さが表現で来ていて、写真からも元気な空気感が伝わって
きているかどうか。
写真の空気感をつくれるのがいいモデルです。
その中で、もちろん可愛く写る角度や顔の筋肉の使い方も大事
ではありますが、それを意識しすぎで、感情の空気感が
伝わらないと、そちらの方が問題なわけです。
以上、まとめると、表情の引き出しの多さと感情表現の質、
最後に出来ればベストに映る角度や筋肉の使い方。
これが大切だということです。
プロなら当然押さえていなくてはなりません。
以上を踏まえて鏡に向き合ってみてください。
楽しみながら。
第15回 ポージング練習法 顔角度
今回のテーマは顔角度。
顔角度とは何か?
そうです、そのままですが撮影の時、
顔の角度を色々と変化させることです。
普通の方は、「ハイ撮りまーす」というとどうなるか?
だいたい、毎回決まった同じ角度で顔をカメラに向けます。
これには2つのパターンがあり、一つは、自分が良く写る角度を
研究し、この角度と決めていて、それで長年写真を撮っている
うちに、すっかり癖になってしまっているパターン。
もう一つは、無意識。
何も考えずにカメラに向くとその角度になるというもの。
多くの人は、効き目メインで物を見る為、効き目のほうを
正面に向ける傾向があります。
ですから、右目が効き目の人は顔は左寄りになります。
ということで、ほとんどの人が顔の角度は1パターンか
2パターン程度です。
さて、顔って複雑な形をしていますよね。
細かく凹凸がありますし。
少し角度を変えるだけで随分と雰囲気が変わります。
それも時計でいうと2,3分の角度を変えるだけでもです。
冒頭に申しあげたようにほとんどの方はその角度を試していません。
ですから、角度を変えるとどう写るのか知らないのです。
ということで角度を色々と変えて、まずは自分の顔を
知りましょうと言うのが今回のテーマ。
そして、無限にある自分の顔の角度を自在に使えば、
めちゃめちゃ表現の幅が広がります。
ではどのようにすれば?
顔の角度は3つあります。
縦、横、傾き(首をかしげるように顔を傾けること)
これを少しずつためしていこうとすると
たくさんパターンがあることに気づきますね。
しかも笑顔、真顔、クールな感じなど表情を
と組み合わせると大げさではなく、無限にあると
言ってもいいですね。
まずは鏡を見ながら練習しましょう。
最初はわかりやすく横の動き、左右を動かしていきます。
鼻の頭を数ミリずつ、右から左に少しずつ動かします。
その時に目は鏡の自分の目を見たままにしてください。
右端から左端、一つずつちゃんと止めながら動かしてください。
それができたら同じ要領で縦と角度。
そして傾きもやります。
さらにそれらを組み合わせてやる。
鏡の練習が一通り慣れたら、写真で撮影していってください。
数ミリずつやると動画のように膨大な量になりますね。
それを見て研究してください。
自分の顔の角度でここまで雰囲気が変わるのかと
驚くはずです。
楽しんでやってみてくださいね。