キャスティング
2018.10.28
現場に慣れていないモデルの魅力を引き出す為にできること
現場に慣れていないモデルの魅力を引き出す為にできること
モデルタレントのキャスティング会社シンフォニアです。

今回は、モデルをキャスティング手配して撮影を行うときに、あまり慣れていないモデルを使うことになってしまったシーンで、モデルを使う側として、できるだけ現場でモデルの魅力を引き出すにはどうすれば良いかについてお話します。

①どんな状況でも最高のパフォーマンスが出せるモデルじゃなかったら?

モデルをキャスティングする際に、実際にオーディションやテスト撮影をできる場合は、そのモデルの実力はわかります。

その場合はそれほど問題にはならないと思いますが、困るのは時間の都合や予算の都合で、新人さんやフリーモデルを使うことになった場合。
さらに、テスト撮影やモデルオーディションができない場合です。

特にキャスティング予定のモデルのオーディションやテスト撮影ができなかった場合。

当日実際に撮影するまで、モデルの力量がわからないですから危険です。

本当のプロのモデルは、状況や気分に左右されず、どんなシチュエーションでも最高のパフォーマンスを出します。

さらにもっとプロ意識が高いモデルは、良い仕事をするのはもちろん、モデル自身が現場の空気を良くしてくれます。

そのあたり、撮影現場とは何かということを心得ているのです。

中には他の出演者のとりまとめまでしてくれる、意識の高いモデルもいます。

こんなモデルをできればキャスティングしたいですよね。

ただ、実際この超意識の高いレベルのモデルがどのくらいいるかと言うと、残念ながら非常に少ないです。

また金額もそれなりにします。

うちのプロダクション部門にもこのクラスのモデルはいます、本当にスタッフとしても任せて安心。

キャスティングをしてくださったクライアントさんからの評価も高く、営業しなくても次々仕事につながったりします。

ただ、難しいのが、こういうレベルのモデルは数が少ないですから、たまたま、見た目的なイメージがぴったりのモデルがプロ意識も高いとなると、毎回そうなるとは限らないということは頭にいれておいてください。

とくに若いモデルをキャスティング手配するときにはあまり期待できないと思ってもいいと思います。

もちろんキャスティングの予算や事務所専属かフリーかにもよりますが、新人さんやフリーの場合は、予算は安いけど、技術的なことや意識はあまり期待しないほうがよいと思っておいてください。



②ぎこちないモデルでもこちらが魅力を引き出すことは可能か?

さて、それでは、実際にキャスティング手配したモデルが、能力的にすごくぎこちなく、良い写真が撮れなさそうな場合。

どうすればよいのでしょうか?

実際にモデルキャスティグや撮影の現場では日常的に良く起こることです。

方法は二つしかありません。

諦めて予算は高くても別のしっかりこなせるモデルをキャスティングする。

もしくは、キャスティングした今目の前にいるモデルでなんとかする。

もちろん画像は加工できますから、ある程度は修正できます。

とはいえ、表情や、そのモデルが醸し出す、感情的雰囲気はどうしようもありません。

そんなぎこちない系のモデルにあたってしまった時に、なすすべはないのでしょうか?

いえいえ、そんなことはありません。

意外とこちらにできることで最大限、キャスティングしたモデルの魅力を引き出すことは可能です。

フリーモデルや新人とはいえ、なんでこちらがそんなことまでしないといけないのか・・

そう思うお気持ちはわかります。

ただ、再撮影が難しいシチュエーションなら、気持ちを切り替えて、キャスティングしたモデルでどうすれば最高の写真が仕上がるかに意識を変えていきましょう。



③楽しい撮影現場の空気を作る

キャスティングしたモデルが思っていたよりぎこちなかった場合、ついつい態度に出してしまいがちです。

不機嫌な空気になってしまう。

これは良くありません。

この空気を感じて、慣れていないモデルは、ますます緊張してしまいます。

そして、表情はこわばります。

特にフリーモデルなど、プロ意識がそれほど高くないモデルの場合は、このシチュエーションでは、「だって自分は悪くないし・・」となりかねません。

そうなると、ますます場は険悪になります。

まぁ、その分安くキャスティングできているわけです。

大切な自社の商品やサービスを、不機嫌な感情で伝えられてはたまったものではありません。

そのモデルをキャスティングしてしまった以上、次回からは気を付けるとして、ここは、頑張って楽しい空気づくりをしてみてください。

具体的にはモデルとたくさんコミュニケーションを取る。

スタッフが笑顔で明るい空気を心がけることです。

場の空気が明るく楽しいものだと、自然にモデルも楽しくなってきます。

ポージングや表情作りがぎこちなかったとしても、楽しい感情になってくれれば、少なくとも、良い感情の写真ができます。

大変ですね。

最初からもっと良いモデルをキャスティングしておけばよかった・・

その通りです。

ただ、もうそのモデルをキャスティングしてしまっていますから、今回は頑張って乗り切りましょう。



④素人に近いモデルを撮りなれているカメラマンか?

こういう緊急事態ともいえる状況を乗り越えるのに、カメラマンの経験も物をいいます。

普段プロのレベルが高いモデルしか撮影していないカメラマンの場合。

自分から、雰囲気をつくれ、高いパフォーマンスを出すモデルに慣れていますが、
こういうぎこちないモデルを撮ることはほとんど経験がないと思います。

すると、どうしても、キャスティングしたモデルに対して怒りモードになってしまいがち。

全く動けない素人に近いモデルを撮影した経験の多いカメラマンだと、
こういう場でも、うまくそのモデルの気持ちをのせて、表情を引き出して、撮影することができます。

ぎこちない系のモデルをキャスティングしてしまい、かつ、カメラマンが質の高いモデルしか撮影した経験がないと、これは中々難しい事態となります。

モデルキャスティングの場で、ぎこちないモデルを使う可能性がある場合は、素人の撮影も経験があり、うまく撮れるカメラマンを選んでおくと、助かると思います。



⑤撮り方を工夫する

ぎこちない系のモデルをキャスティングしてしまった場合、もう一つできることがあります。

撮影のシチュエーションを工夫してみることです。

素人に近いモデルの場合、一番きついのが、白バックのスタジオに、ただ立たされること。

これは全くごまかしがききません。

キャスティングしたモデルのポージングと表情だけがすべてとなります。

これは、立たされたモデル自身が一番よく感じています。

「うわっ、どうしよう」となりがち。

ここでモデルを責めてもどうにもなりませんから、ここでの対処としては、撮り方を変えてみるというのも一つの手です。

例えば椅子やソファーに座らせてみる。

または、壁にもたれさせてみる。

これだけでも、実はモデルの心理からするとかなりプレッシャーが減るのです。

自分の身体をゆだねるものがあると、精神的に落ち着きます。

また、日常の自然体が出やすくなります。

是非ためしてみてください。



いかがでしょうか?
想定外のぎこちないモデルをキャスティングしてしまうということは、できるだけ避けたい状況です。

オーディションやカメラテストを行えば避けられますし、事務所やキャスティング会社を通して、ちゃんと確認すことができれば、防ぐことができます。

ところが、予算がなくフリーのモデルを使うしかないとか、新人をキャスティングするしかない場合。

また、時間がなくオーディションやテスト撮影をせずに、キャスティングするしかない場合は、良く起こることでもあります。

参考にしてみてください。


モデル・タレントのキャスティング会社シンフォニア

2021/4 追記
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